2010年4月6日火曜日

10/4/2 共に祝う復活祭

 2010年はカトリック教会では復活祭が4月4日に祝われましたが、それに先立つ4月2日に、大司教は「共に祝う復活祭」という題で寄稿されました。以下にその本文を訳出します。

 今年の復活祭には珍しい出会いがあります。東方西方の両教会、あらゆるキリスト教派が、同じ日に復活祭を祝うのです。この期日について問題があるということ自体、ある人には驚きかも知れません。復活祭はいつでもどこでも同じ日に祝われるべきだと考えるでしょう。
 しかし現実はそう簡単ではありません。復活祭の日の算出は大変込み入った問題なのです。キリスト教の復活祭はもちろんその端緒にユダヤ教の過越祭に関わりを持ちます。イエズスは紀元30年、他ならぬ過越祭に十字架に架けられました。ですから、早くからキリスト者はユダヤ教の過越祭(パスカと呼ばれる)の辺りにイエズスの死と復活を祝っていました。
 ユダヤ人はパスカ祭をユダヤ暦のニサンの月の14日に祝います。今年はこれが西暦の3月29日にあたりますが、今回の復活祭(4月4日)はユダヤ教的起源とも近いわけです。キリスト教の復活祭は春分後の最初の満月の直後の日曜日と定められています。最も早くて3月の22日、最も遅くて4月25日となります。東方教会のキリスト者がユダヤ教の古い暦に従っているため、復活祭の期日は東西の教会で異なってしまうのです。今年はそれが一緒になるわけです。来年もまた同じ日になります。
 では、キリスト者は同一の復活祭の期日を定め置くことができないのか、とここで問い直してみることができるでしょう。明らかにそれは今日まで実現していません。しかしともかくも今年は共に祝うのです。そして共に祝うわけはここにあります。ユダヤ人にとって過越祭はエジプトでの奴隷状態からの解放、希望に満ちた記念です。キリスト者にとっては死の束縛からの解放、イエズスの復活の記念です。あらゆる救済・解放への渇望は、ここでその答えと出会うことができるのです。

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